わたしに踏まれた星とわたしが踏まれた星

ホロスコープ1年生。名前は「蜷(にな)」です。

おうしに願いを

わたしは、恋愛経験はほとんどないくせに、根っからのおたく気質で、常に"推し"を追っかけているタイプだ。相手はミュージシャン、コメディアンとさまざまだが、ひとつだけ共通点がある。

牡牛座であること!

熱心にライブに通ったり、雑誌やDVDを買い揃えたり、聖地巡礼してみたり……と深追いしたくなる"推し"は、それほど多くない。わたしの人生における"最推し"3人が、なんと牡牛座なのである。わたしのホロスコープにおいては、火星(1ハウス・牡牛座)、木星(2ハウス・牡牛座)との関わりが深い。

わたしが牡牛座の人びとに共通して感じるのは、「自分自身を大切にすることに対して手を抜かない」ということである。

わたしの牡牛座の友人(女性)は、少しでも身体の不調があれば病院に通い、処方箋をきちんと使う。浪費家ではないが、価値があると思ったものには金銭を惜しまず、また手入れをしっかりするので物持ちがよい。新しいものに飛びつかず、試してみてよいと思ったものを長く使い続ける。モードを取り入れながらも、ファッション、メイクに人となりが表れていて、おしゃれだし、彼女にしっくりと来ている。

"推し"の一人にバナナマンの設楽さんがいるのだけれど、彼の「いいなあ」と思ったエピソードに、「古着を試着してから買う」というものがある。○○のブランドだから、とか、安いから、とかいう価値観で目がくもったりしない。だからこそ、たとえ既製服であったとしても、まるで特別にしつらえたように映えるのだ。彼ら・彼女らの手にかかれば、ありふれた毎日に魔法が起きる!(なんて、マクドナルドのCMじゃないんだけど)

わたしは結構、それが下手だ。ここ10年以上、眼科(コンタクトレンズ処方)と歯科(虫歯の治療)、整形外科(骨折)以外の病院にかかっていない。めったなことでは体調を崩さないという理由もあるが、「大したことではない」と判断する閾値が人よりも高い、つまり鈍いのだろう。

たとえば、ウォーキングやスクワットなど、自分自身に課したことをオートマティックにやり続けてしまう。雨が降ろうが、ワクチンの副反応で熱が出ようが、お構いなしだ。「しんどい」は甘えだ、と言う山羊座土星ディシプリンを、水瓶座天王星がミッションとすり替える、そんな共犯関係も成り立ってしまう。ルールには批判精神が湧くけれど、ミッションには弱いんだよなあ。

無理すること、我慢することが努力なのではない。本来の力を発揮できるよう、気持ちよくしておくことこそが、本当の意味での努力なのではないか。

わたしは、ホロスコープより先に、"推し"からそれを教わっていたのかもしれない。