冥王星さんは、なびかない
火星くんと両翼を形成するのが、冥王星さん(7ハウス・蠍座)だ。わたしは、その底知れないイメージを前にすると、いつもうっとりしてしまう。
"偉大な破壊、その驚くべき愛情。偉大な運命、その驚くべき愛情"とは、坂口安吾の『堕落論』の一節だけれど、まさに冥王星を彷彿とさせる表現ではないか。
冥王星(7ハウス・蠍座)は、太陽月(11ハウス・水瓶座)にスクエア。そして火星(1ハウス・牡牛座)にオポジションで強烈に対抗している。一方、ルーラーの土星(9ハウス・山羊座)とはトラインで、まるで土星さんの請願を受け入れてくれているようにも見える。
ただ、海王星(10ハウス・山羊座)ともトラインで、冥王星さんがいったいどんな夢を海王星さんに流し込んだいるのかが気になるところ……
わたしのサインは地・風に偏っており、水は蠍座(つまり冥王星)だけだ。地・風だけがあっても、生命は生まれない。冥王星さんは、わたしの惑星が偏っているホロスコープの中で、7ハウス・蠍座という孤高の位置で重々しくたたずんでいる。
地にいきものを満ち満ちさせる水のエネルギーとして。また、凍てつく氷から未知なる生命体を解き放ち、破滅を招来する災厄として。
さて、わたしの蠍座・冥王星は7ハウスにある。ここから、つい冥王星さんに対して、地球外から来た恋人、怪物的な恋人のイメージを思い浮かべて、わたしはまたぽわーんとしてしまう。
土星のルールに縛られないものを持ち込むのが"恋人"というのもなかなか気が利いているじゃないか。蠍の毒が回ってもいいから、その恐るべき愛情に一度くらい抱かれてみたい。